勘違いなのかもしれないが、不思議な経験をすることが稀にあった。
先日久々に地元で街を歩いている時に、よく通る裏通りに私が幼少の時から通っていたお寿司屋さんの前を通った。
そこの様子はいつもと変わらずお客さんがぼちぼち入っていて、特に違和感を感じることがなかった。
昔から前を通った時は立ち寄っていたが、なぜかその日は寄らなかった。

その日の夕食時、家族と街の話になり、その時に母から「あそこのお寿司屋さん、一ヶ月前に閉店したんだよね」と言われた。
でも確かに見た光景はいつもと変わらないもので、その時は何も不思議に思わなかった。
後日行ってみた時には、確かに私が通った日よりも前に閉店したことを知らせる張り紙がシャッターに貼られていた。
ものには想いや魂が宿るというがそれは場所にも言えることで、久々に通った私に見慣れた懐かしい光景を見せてくれたのかもしれない。

S.M